GOTCHA!で振り返る感動【ポケモンSM/USM】

✴︎ボツ記事だけれど下書きに残っているのが気になったので供養も含めて載せておきます。
(追記)加筆修正したらちょっとしたレポートの分量になってしまった、後悔はしてないです。



何か書きたいけれど、しっかり書く気がなかったからTo Did(To Doではなく、今日やったことを書くの意。恐らく英語的には正しくない)を書くことにしよう。

これは一般にVtuberや生主の自分の一部を切り売りする行為(大いに語弊あり)に含まれかねないが、そこまで考えないで動く方が良いことは多分にあるのでそうしていこう。

ただ、改まって何々をした!って書くのは思ったより恥ずかしい感じがする。

言葉にしたせいで余計に強まってしまったが、めげずにいこう。


タイトルの通りGOTCHA!のPVを今更ながら見た。

直接のきっかけは、いつも回覧しているまとめサイトの記事だ。(といっても私は人と少しでも違うようにしていたい部分があるから、一般的なまとめサイトといささか趣きが違うものをまとめサイトと呼びたくないのだが…分類的にはこうなるのだろう)

そもそも、【冠の雪原】みなみのことうから感謝【ポケモン剣盾】 - みなみのことうからの回を見て頂いた人なら、私がポケモン公式Youtubeチャンネルを登録していることを類推しているだろうし、それなりに話題になったので当然見ていると思っていたかもしれない。

だが、私は見ていなかった。

何故か。

サムネイルにいるエースバーンにトラウマがあるからか?

違う(因みに火炎兎はむしろ好きな方なのでこれからも使ってあげたいのだが、私の次に使いたいパーティにはあっていないようなので†お留守バーン†だ)。

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※お留守バーン 何を思って作ったのかは定かでない


単純に興味が薄かった。

というより、なんでこの時期にPV?というのが第一印象だったと覚えている。

ただまあ公式チャンネルはヒトカゲと焚き火ASMRだったり、ウーラオス対最強軍団だったりの意⭐︎味⭐︎不⭐︎明でフシギバナというほどでもないけれど、直接ゲーム本編系列と関係が薄そうだし、スルーしても良いかなあという動画をあげるので、その類いと思っていた。見ていないが最近上がったAcaciaもそうかもしれない。

とはいえ、載せないですが良く見ているブログでもこのPVについての感想があったり、好きなポ実の方も──ポケモン実況者の略称。初めて聞いた時はなにか卑猥なものを連想した──話題にしていた。

どちらもPV自体をを大絶賛するようなものではなかったと覚えている(かといって物申してもいない)。

要するに、心を震わせる程には惹かれなかったのだ。

だが、別段これは不思議なことではない。

想像してみて欲しい。

貴方の好きなコンテンツ(ゲームや漫画、アニメ、ドラマ、動画なんでも良い)があったとして、その魅力的だと感じている部分以外で何かの発表──それも次回以降の方向性を決めるほど大きなものではない──があるとしよう。

それを絶対に見るという強い意志がある人は…いる気もしてきた。

というよりも、現に視聴数を見ればそちらの方がきっと多数派だろうから、これはマイノリティな発言(それもわりかし淘汰されうるような種類)だ。

だから、私の意見はちょっと好きかなくらいのVtuberが自分にとって全然知らない人とコラボする放送を最推しと枠が被ったからパスしたぐらいに眺めて欲しい(縁のない人にとっては呪文に聞こえる文章だな…)。


逆に言えば、頭の片隅に小規模でも常に存在していて、暇になったら見るということなのだ(見てやるかぐらいの傲慢さも含んでいるかもだ)。

だから、見た。

それも違h…公式?の動画で。気付かず開いても犯罪なのだろうか。

感動しなかったといえば嘘になるかもだけれど、別にトレーナーとかそこまで興味はないため──これは別の機会があればしっかりと語りたいのだが、「推す」のが使命という在り方は元来私の中にミジンコほども存在していないので、完走したアニメ作品に絶対好きなキャラクターがいる理論を持っている方がいたら申し訳ないが、そこを留意していただいた上で続きを読んでいただきたい。というより、その感性って女性寄りの感性な気もするのだがこれ以上はやめておくのが賢明か──前情報と相違はなかったような気がする。

ただ、アローラ組のZ技ポーズに特攻ダメージを持っているので、その部分は良かった(お前もLDSかと思った貴方はきっと正しい)。

アローラが良かったとだけばかり書いていると懐古厨のようでどうにも消化できない気持ちがあるため、ここで一つ何が良かったのかを書いておこう。


まずは私と作品の関係をば。

所謂第七世代全般は時間がないを言い訳にして、ゲーム本編を友人に任せて(今でもちょっとひどい事をした気がする。すまん)過去の準伝説解禁後──ポケモンバンク後──の対戦環境から始めた。

これ自体はラティアスを軸にしたパーティを組んでいるので割と自分の中では普通だ。

だが、その直後から全くと言って良いほど記憶がない(恐らくはVtuberにハマり、アニメも昔のものだけをリピートしていた時期だ)。

良い機会なので、5世代終わりあたりから見続けている、とある実況者の動画を目安に確認してみることにした。

あった。

しかも名前を知らなくてもすぐに特定出来るレベルの内容だった(狭い界隈だもんな…)ので詳細は控えておく。

おこうと思ったが、そうするとこの後の話は全く出来なくなると気づいたので、地球圏を飛び出すくらいの覚悟で続きを書くことにしよう(@あみゅさんや関係者の方々、問題があったら消しますのでコメントに書いていただけると幸いです。ちなみにTwitterはしておりませんので、お手数でしょうが直接お願い致します)。

私を再熱させたのはこの動画だった【謝罪】6月24日の件とこれからのこと - ニコニコ動画(見ていて気分が良くなる動画ではないので、閲覧注意)。

まずは、私にとって@あみゅ(今はあみゅの方が正式名なのだろうか)とは、自身の青春を語る上で8位以内に入るくらいの人だ。

出会いは同年代でニコニコ動画のランキングを見ていたら目には入っていただろうBW2最強実況者決定戦だ。七年前って嘘だろ承太郎…

当たり前ですが、このままずっと若い子が知らない話を続けます(私よりもおじさんだと分かった人はこんなところで暇を潰していないでランクマ潜って♡)。

当時はナウでヤングなミーハーで、かつ自分でもそれなりに親しみやすい「ポケモン」というコンテンツ、ハマらないはずがない(実際に同じような心境で実況を始めたカメックスも多数いるとかいないとか)。

最強実況者決定戦(以下諸々を配慮して旧最実と呼ぶ)の頃のあみゅさんは比較的若くて実力がある枠──あみゅさんはBWの中頃あたりから投稿しているため新参というわけではないはずだが一応──だと思っている。

勿論、初めて見たと言って良い動画シリーズだったので、これは当時の評価ではないのだが、その頃は気になった方の動画の大半を遡って見ていて、更にこの大会の前後で参加者の一部が実況を辞めるという宣言があったことも相まって、結果的に新世代のXY時代開始直前で注目していたのがあみゅさんを筆頭にした方たちだったのだ。

私も新作を買って──当時の現行作は対戦が事実上終了間際であったので──完全に一致したものではないが、同じ舞台(レーティングバトル)で戦いたい!と思うのは至極当然の流れだった。

その内、準伝説を使うために結局過去作をほぼ全て集めるようになり、その過程で相棒に出会うのだが、それはまた別の機会にでも。

ここまで、あみゅさんに関する思い出しかも出会いの内容だけで結構語ってしまった気がするので、少し巻いていこう。

6世代はXY期というよりORAS期の方があみゅさんのメインだと思っているが──これは相棒のアグノムが準伝説ポケモンなので私のラティアス同様、発売後すぐには対戦環境に存在しないため当然ではある──見返していて実況者大会の記憶がMECあたりで止まっている…いやラスフェスは記憶があるから絆杯だけ記憶が薄いのかな…本筋のレート動画の記憶もあるしな…と若干本当にあみゅさんの動画が好きなのか不安になりつつも、やっぱり見返すと面白いし、D振りマンダを筆頭に変な型(褒め言葉)に対する安心感やライボバックだったなと思うのだ。
あと名前が痛い個体が多いのもこの世代だろう。

他にも生放送ネタなど数々が思い起こされるが、面白いだけではなく、しっかりと対戦の勉強になる要素が多分にあるのだ──これはあみゅさん自身も他の実況や生放送、ブログで勉強しているという旨を語っていたこともあり、大袈裟ではないだろう。

ちなみに、その中で最高傑作の一つだと思っているし、一番参考になる実況は第7世代の「人事を尽くす」シリーズであり、あの考え方を常に出来れば過度の豪運と地雷、初見要素以外はほぼ完璧に対処できるしと真剣に思えるほどのものであり、その思考過程を実況動画内にほぼ全て載っている点が素晴らしい(最終回のオチは悪いという意味でなく酷かったが)。


まあ、そういう風にリスペクトも入っている方の謝罪動画だ。

見たくもなる。君、前半部分と言っていること矛盾してない?

正直、見ていて面白いものでもないし、部外者視点で言えば割とどうでも良い部分も多いが、それを理由に活動を辞めるのは勿体なく、つまらなくも思った。

割と後々もやらかし?をしているので多分そんなことにはならないと今は思っているが、逆に改めて真剣に見る良い機会となった。

そこに最強実況者全力決定戦(以下新最実と呼ぶ)がやって来た。

あみゅプレゼンツと云っても遜色ないメンバーで、8割くらいは聞いたことある方だったが、しっかりと見たことがある方は半分もいなかったと記憶している。

そんな事前情報があろうがなかろうが関係ないほど熱かった…ただ熱かったのだ。

このときは基本YouTubeでの視聴を主にしていたので、普段よりも対戦内容にだけ意識を割いて見ていたのだが、大会中に喜怒哀楽全ての感情を出して見ていたことは忘れ難い。

視聴前はあの人良いイメージないんだよね…と偏見を抱いていたような方(すみません)の動画も僅差での勝敗だったり、変な型を見せるので(最初は倒すべき魔王としてだったりもしたが)気になって視聴し、はっきりと好きということにはならなかったが、せめて大会中は見てみようと思えた。

やはりどんな方であれ、実況をするくらいにはこのゲームに対して思うことがあるのだし、全員がレーティングが高い=軽い気持ちだけではそこには到達できないのだと実感させられた。

そして、刻一刻と予選通過、敗退が判明していく。

この頃になると、もうどっちも応援している方しか居なくなり、動画の終盤で決着=予選敗退と分かったときの悔しさは当人ほどではないかもしれないが、ほとんど自分のことのように感じられてしまったし、勝者もまた同様に我が事のように感じられた。

しかも、(ネタバレになってしまうが)参加者の実力が絶妙なバランスで展開されていたので、三勝一敗という高成績でも三すくみのため通過できないという恐ろしい場面が最終的に全4ブロック中3ブロックも起きたせいでこの一体感を伴う悔しさは加速していく。

この辺りの展開はもう完全にバトル漫画──といってもカードゲームや麻雀などの頭脳系だが、熱い展開がある種類のだ──と変わらないもので毎話熱中して続きを楽しむ読者そのものであった。

折角なので、あみゅさんは如何だったかというと、例に漏れず三すくみに陥り、史上初の1on1二回戦を行い、最後の最後で選択を誤り予選敗退となってしまった(明らかに結果論ではあるが、最初に考えていた自身を信じて欲しかった)。

ちなみに、動画投稿と対戦はそれなりに間を空けて行われるため、参加者全員のアカウントをフォロー、チャンネル登録していると、大会動画と関係ない動画を大会期間中に上げている方もいて、これは負けてしまい、時間が出来たのかと察せてしまったことは少々残念ではあるが、これは通常の動画投稿の頻度が激化していけばいくほど起きてしまう事例だろうし、普段のツイートなども分析的に見て追っていれば把握出来そうなので仕方ない部分かもだ(ストーカーではないです)。

それに加えて、旧最実と似ていて、この大会を最後に実況者大会の出場はせずに通常運営一本に絞る方もいたり、相棒と共に戦えなくなることを危惧したりして、なんとなく視聴者の意識の中で、これ以降大規模な実況者大会が開催されないのではというようになっていた気もする(実際にはそこまででもなかったかもしれないし、今もそれなりの規模で対戦は行われている)。

大会中、炎上もあったのだが、毎度の如くTwitter上で起こる出来事の99.99%程度が私にとって対岸ならぬ異次元の火事なので、ウルトラホールが開かれないと察せられる範囲でしか知り得ないし、あみゅさんの総括動画【実況者大会】ポケモンUSUM最強実況者全力決定戦_総括動画【前編】 - ニコニコ動画(当然のごとく無断転載ですみません)で理解はしたが、こういうことはリアルタイムの“感じ”が優先されるべきだと思うので、気になる方がいれば自分で調べて下さい。

最後に、先程述べたが人事シリーズの完成度だ。

現在の状況やその後で起こり得る事柄を出来るだけ多く網羅的に列挙し、優先度をつけて勝利へと近づけるために相手の行動の可能性を狭めていく…まさに科学的思考──今時ならホームズよりコナンかもだが「あらゆる可能性を排除して残ったものがどんなにありそうになくても答え」という考えのこと──なのだ。

そしてそれを体現するかのように着実と勝利数を稼いでいくあみゅさん。

既に時代は新世代へと移っていたが、アローラに残るという決意が行動へと繋がっているように感じられた。

更に言えば、私自身もラティアスが使えないかも、レーティングバトルの形式が変わり、あのちっぽけでも意味の大きな数値がなくなるという無常感、あみゅさんと戦えるかも?──この時期、あみゅさんは特定の時間帯(20:00-22:00だったか)で毎日5戦前後すると決めていた──という野心を抱えていたため、いつも以上に取り組んだ。

色々な好条件が噛み合って自分の中での瞬間最高レートも取れたし、他の方の動画でそれなりに(私の中ではかなり)レーティング数値の高い方とも対戦出来て、しっかりと勝利を勝ち取れることもあった。

ちなみに、現行作品ではその考え方が通用しないのかなと悩んだ時期もあったが、自分の中でうまく考えに合う個体や組み合わせを朧げだが掴めてきて、やはり正しかったのだなと再認識しつつある。


と、ここまで長々とゲームとの思いを書いてきたが、アニメ「サン&ムーン」(以下サンムーンと呼ぶ)についての感想もある。

この流れでこの話を消費させてしまうのは凄く勿体なく感じるくらい良い作品であるのは確かだし、記憶が曖昧になっている部分が多分にあるかもだがセットで語ることで余計にアローラが良かったのだという証明の一助になればと思う。

このアニメで真っ先に取り上げられるのは、作画が大きく変わったことと、長年ポケモンリーグを優勝出来なかった主人公のサトシが優勝したことだろう。

アニメの作画に関して、私は本編に関わる大事な人物などが認識できる程度なら気にしない質だし、前作を筆頭に過去作をそこまで真剣に全話見ていたわけではなかったため、ポケモン作品をシリーズとして見るには不適切かもしれない。しかも優勝の話題で見始めた勢だから余計にアレである。

そんな純粋でない経緯で視聴を始める訳だが、まず驚かされるのが大枠の旅物語を止めて、固定のメンバー6人がメインで進んでいく。

1話と2話以降で主人公と他メンバーの関係性というか距離感が大分違う感じがする──これはまあクラスメートと見知らぬ観光客と間柄が違うのだし当然だろうか──ので私は少し戸惑ったのを覚えている。

だが、そんなわだかまり/打ち解けない感を各話サトシとメンバーの中から数名選んでのエピソードがあって大体2クール(24話あたりが一章と思っている)かけて解消していく。

その前後までが、それなりに言われるパロディが古かったり、押しが強くてキツいと言われがちな回が多く存在している印象がある。

続く二章はアーカラ島編(話数としては43話までのカントー出張も含むだろうか)だろう。

この辺りになると、凄く先の展開が整っていて、ある種快感を覚える程の流れだ。

話の内容を詳細に述べるつもりはないので、アマゾンプライムに入会している方は送料無料以外にも特典があることを忘れず、見てみると良い。

この二章の中で特に言われそうな内容はかつての旅仲間のタケシとカスミの登場回と、続くZ技(今更ながらZワザが正式らしいが気にせず使っていく)とメガ進化のぶつかり合いの回だろうが、私の思い入れが強いのは40話の「アシマリオシャマリ、いかりのダダリン」だ。グリーンフラッシュ回も思い入れが強い。

この回はZ技を初めて発動させるスイレンが可愛い…のは自明だが、Z技が戦うための道具として使われるだけで終わっていないのだ。


ポケモンの批判の一部に動物を戦いの道具にしているというものがある。

別段それを否定も肯定もしないが、実際問題5世代以降の新要素と言えるような類い──ジュエル、メガ、Z、ダイマックス──は少なくともゲームでは戦いのためにしかなっていないはずだ(メガするのに絆がいるとあるが、疑いたくなる悪役がいたりいなかったりするから私の中では厳しい)。

その中で芸のためにZ技を利用する。

これは一見異常な行為な気がするのだが、Z技をトレーナーが発動する際に必ずアローラの守り神に感謝するという気持ちと行為として、ポーズ──要するに奉納の舞を捧げるとでも解釈すれば良いだろうか──を取る。

だから、神々から分けて戴いた力を色々なことに利用するという(古代からの)我々の理念と通じる部分があり、説得力を感じさせる。少し考えたらおかしな部分があっても、それなりの理由で語ってくれれば、燃えて萌えられる秘訣という学説もある。

しかも、この回を筆頭に掲げたが、基本的にサンムーン全体としてこの考えは伝わってくるものだし、それは日本に住む我々が失ってしまったものを秘めているような気がしてたまらないのだ。

少々脱線したが、続く3章(55話と見るか90話と見るかは分かれるだろうがあえて広く取ろう)はゲームをなぞったような展開と、ゲームでは多くのエピソードが描かれなかったUB(ウルトラビーストと呼ばれる別次元のポケモン)を大きく補完したり、設定を面白く調理したエピソードがメインの章だ。

ここで面白いのは、不評な親子喧嘩を出来るだけ取り除くためにメインの悪役をマッドな研究員(ただし愛され役でもある)ザオボーに据えたり、コスモッグベベノムという子供と云っても差し支えないであろう役のキャラを二度に分けて登場させることで、作品のテーマの一つ「親子関係」を意識させる作りで、最終章への架け橋にもなっている。良く考えずともシェイミのエピソードもこの一連に並べられるだろう。

そして最終章だ。

ここもきっと上中下編で分けて良いのだが、109話までのポニ島編(主にカプ・レヒレが見せる幻影)と、127話までのリーグ開催までの急に皆が闘争心を露わにしてZ技を発動させたり、新たな仲間を得たり、進化したりする流れ──所謂修行回に当てられるだろう。だが、これは予想以上に直感的にもこれから皆が戦うことを意識させてくれて非常にポイントが高い──最後に、成長したサトシがアローラで得たものを戦いの中で見せて恩返しするリーグ編だ(勿論他のメンバーも様々成長しているが、締まりが良いのはこちらだろう)。

やはり、最後だけあって色々語るべき内容がある。

固定メンバーの関係性の深化や因縁のバトル、これまで紡ぎ上げたトレーナーとポケモン間の絆、何度だってやり直せる温かみ、アローラの危機は皆で解決していく⇔一人だけの英雄とならない、実況の熱演が更にバトルの良さを掻き立てるなどなど挙げられるが、やはり外せないのが4話使って描かれたフルバトルだ。

全体的な作品の目的として、メインのキャラクター全員に焦点を当てるという試みがなされており、それは人間もポケモンも同等だったためか新メンバーの加入がかなり慎重だったように感じる。

その甲斐もあってか、できるだけ多くのポケモンたちが普段からモンスターボールから出てトレーナーと一緒に生活している様子が頻繁に描かれる。

これにより、「サトシのピカチュウ」と云えるような、このポケモンといえばこのトレーナーという感覚が強まり、更に言えばトレーナーとの絆も重要だと思われるZ技の発動、威力にも説得力を与えていそうだ。

そう云った事情があってか、全て計算の内か、リーグの決勝戦も従来のフルバトル(6vs6)とは異なり、3vs3という比較的小規模の戦いであった。

それを掟破りのフルバトル・1試合に2度のZ技、親・師匠・因縁のライバル越えという由緒正しき王道熱血バトル漫画的展開をぶつけてきたのだ。

当たり前だが、燃えを更に熱くするには色々な異なる要素でもって戦う理由を用意していくのが良い。

1+1=2だが、1×1=∞なのだ。

だからこそ、この最終戦は熱い…並大抵の熱さではない。

だが、これはその目で見れば嫌というほど分かって貰えると思うので、多くは語らない。もう語っている。


今更ながら、この辺り、新最実の良かった点と非常に似通っている。

色々な感情を呼び起こすものは人の印象を強くしてくれる効果があるのだろう。

そういう気持ち、多くのドラマ、言葉だけでは語り尽くすことのできない何かが詰まったアローラ地方なのだ。

もし、ここまで読んで下さった方がいて、それでもこの気持ち、あの感動を懐古(と言ってもまだ五年以内だけれども)の二文字で終わらせるなら、それはそれで良い。

だけれど、少しでもこの良さを分かってくれる方がいたなら、アローラの象徴はZ技であるし、これからもし7世代で対戦することがあれば、Z技発動と共に踊って欲しいのである。

アローラはきっと皆がふとした時に思い出して、また帰ってきても受け入れてくれる温かみがあるのだから。